タムケンブログ

コンテンツの未来について、好きなコンテンツについて、書き記します。

エンジニアの未来サミットで学生役してきた

第一部でしゃべってた一橋の学生です><
っていっても3回くらいしかしゃべってないですが。。もっと割り込んで行けばよかったのですが、途中で萎縮しちゃったりとか、難しい話がやり取りされてる中でIRCチャット眺めてるうちに頭カオスになっちゃったりとかで。。立場的に学生なのですが、就職活動してないし、エンジニアとしてコードも書いてて技術好きだけど経営のほうがもっと好きだしという微妙な立ち位置で申し訳なかったです。。

色々思うところがあったのでとめどなく書きます。考えがぜんぜんまとまってないので、とりあえず思いつくままに。

「自分で頑張れ」という自己責任論で、エンジニアの未来は明るくなるのか

この会を何らかの形で見た人にとって、またはこれから時空を超えてログにアクセスして見る人にとって、吉岡さんの「自分の人生は自分で決めろ」という言葉をはじめとした、アルファギークの方々が「人のせいにしないで自分で環境を変えるなりオープンソースに関わって自分のコードを日の当たるところに出すなりしようよ」というメッセージをされる、という所だけ見たら素敵な会だったと思うのです。僕も経営者アプローチなり、学生アプローチなりでやるべきことが沢山あるなぁと改めて気付いていますごくモチベーションあがってます。

ただ、このメッセージは泥の現場だったり、泥の根源だったり、これから泥にいくかもしれない人には直接は届かないんだろうなぁとも思うのです。

人月商売・多重下請構造のビジネスはいずれ破綻するし、そんな会社潰れてしまえばいいというのは確かだと思います。自分から働きかけて変えていこうというメッセージも分かります。それによって泥を生んでしまう仕組みも変えられるかもしれないと思います。でも、そういうボトムアップのアプローチだけでいいのかなぁと。一部のエンジニアがマッチョに楽しくやっている間に、多重下請な世界は粛々と泥商売になって、、と。

とはいえ、第二部のパネラーの方々の楽しそうな姿を見ると、自分で頑張って明るく楽しいエンジニア人生!というロールモデルは沢山あるみたいですし、しかもエンジニアの生産性は人によって数百倍違うとも聞きますので、まぁ大丈夫なのかなぁ、ともかくおいらはおいらで頑張ろう!とは思いました。エンジニアの端くれとしては。

でも、文系学生としてはなお違和感が残るのです。

これだとIT業界のスーツ人材足りなくなるんじゃないか

今回は「エンジニアの未来サミット」で、「IT業界の未来サミット」ではないので話がずれるかもしれないのですが、「技術を理解しようとしないスーツ(マネジメント)」の問題が取り沙汰されていました。これには「エンジニアがアプローチしてスーツを変える」とか、「エンジニア出身者がマネジメントやる」とかもあるでしょうが、文系スーツが現在のような形で量産されていくとしたら、この問題は解決されないと思うのです。

要は「文系にとってIT業界があんま魅力的じゃないんじゃね?」という話と「文系ITになるとほっとくと技術理解しないでエンジニアと意識乖離してっちゃうんじゃね?」という話。後者に対する問題意識は前エントリ「プログラミング能力をつけるための高速道路を造りたいという話」を書いたときにも思っていたことです。

「それは経営の問題」と言われると思います。その通りだと思います。とはいえ問題意識がある以上どうにかしたくなるわけでw次回行われるであろう「アルファギークVSIT業界重鎮」の会でぜひ話題にして頂きたいところですw

「文系にとってIT業界が魅力的じゃない」仮説は、単純に自分の周りの一橋生でITに行く人ほぼいないし、ITを志望してたらしき人もいない、ということから。世代が下になるにつれてデジタルネイティブ世代になるので徐々に解消していくのかもしれませんが、そもそも選択肢の中に入ってなさそうということに問題意識を感じているのです。とりあえずUstreamで録画した内容をDVDに焼いていろんな大学のゼミとか就職課とかに送り付けたいですw

ぼくは会の最後で、「技術がちゃんと分かる経営者になりたい」「自己責任にするなら情報非対称じゃだめだから情報リテラシー上げるための草の根的活動もしていきたい」みたいな趣旨で話したのですが、技術が分かる経営者として、技術生かして楽しく働けるエンジニアと沢山雇って高給出せる会社を頑張って作りたいなぁと思う傍らで、一番業界を少しは知っている学生として、情報がいきわたらないことに対する学生側からのアプローチも頑張りたいなぁと思っています。

学生は何を知りたいのか以前に、何を知ればいいのか分からない

id:naoyaさんの「学生さんが欲しい情報って何ですか」という発言が嬉しかったのですが、そもそも何を知ればいいのか分からないのではないか、と思います。まともに就活してない僕が言うのもアレですが。。
敢えて言うなら、「この業界に入ったらどういう自分になるのか」を知るためのロールモデルを見たいです。出来れば沢山、浴びるように。ネットを見ればある程度は見れるのですが、出来るだけ学内のイベントがいいです。大学での説明会などは多くの人が機械的に行くのでいいと思います。ここに入ればこういう自分になる、あそこに入ればああいう自分になるという情報を何らかの方法で大量に、できれば幅広い業種・職種において摂取して、「将来の自分」の選択肢を沢山作ったうえで、「自分の人生は自分で決めろ」と言われると、決められると思います。

というわけで、「アルファギークに逢ってきた」&「“30代”の生き方・考え方」メンバーで学園祭ツアーとかしたいです><

あと僕の発言の補足的な

「コードには興味ない」と発言して弾さんにショックを与えてしまったようなのですが、コードに興味ないとはいってもコードを書くし書いてて楽しい。技術も追いたいし、iPhone みたら「加速度センサーすげー」と思う。でも一方で「加速度センサーで簡単に出来る売れそうなものなんだろ」とも。「これがオレのコードだぜまいったか!」みたいなことにはそれほど興味ないのです。なので「売り物としてのコード」を書くのは、必ずしも自分で無くてもよいとは思っています。CTOって「技術がわかるマネジメント」と「マネジメントができるエンジニア」と二種類あり得て、僕の目指すのは前者じゃないかと。*1

IRCで「tamukenはエンジニアというより経営者だからなー」という趣旨の発言があったと思うのですが、その通り。技術を理解したうえで経営判断を行う「技術担当のOfficer」で在りたい一方で、「最高技術責任者」で在り続けるかといえば、必ずしもそうではなくて*2。でも技術を理解するために自分でコード書かなきゃという意識はあるので、仕事でも必要に応じて書き続けるし、趣味や勉強としても書き続けますよ。元々そのつもりではいたのですが話を伺ってさらにそう思った次第。

追記

吉岡さんに打ち合わせの時点で「もっといろんな人にプログラムに触れてもらいたいんですけどどうすればいいと思いますか?」と聞いてみたのですが、「背中を見せることは出来るけどだれも強要することはできない、自分の人生は自分で決めるもんだから。イチローをみて野球したいと思う人はいるけど、イチローは野球やれなんて一言も言わないよね」とお答えいただいて、腑に落ちました。とすると大切なのは「光をあてる」ことなのかしらと後で振り返ってみて改めて思うなどしました。

最後に

色々考えが深まる楽しいイベントでした。登壇する人募集の公募にノリで応募した*3僕を使ってくださったgihyo.jpの方々、登壇者の方々、IRCでツッコミ頂いた方々*4に大感謝です。

にしても弾さんカコイイなぁと二次会でお話させていただいて改めて思いました。サミットでは怖い方だなぁガクプルという感じだったのですが、包容力ありすぎっす。

*1:追記:とはいえ、マネジメントができるエンジニアが入ってくれたときに僕がCTOという肩書きを手放すことは大アリだとは思います。

*2:はじめは最高技術責任者で在り続けるべしと思っていたのですが、それだと僕のエンジニアとしての成長スピードの限界が会社の成長スピードの限界になってしまうと気付いたので。

*3:技術++な学生もっと入れるべきという話がありましたが確かにそうだと思いますwそういえば応募した時学校名とか所属とか書く欄なかったな、、

*4:学生がんばれ、とか、学生空気wwとか、学生割り込んで!!とかのコメントが無かったら最後まで空気だったと思います