タムケンブログ

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86世代が大挙して動き出す日は近い(かもしれない)―ライブドア事件を横目に見ていた学生として

社会に出る前から堀江スピリッツを注入され、そしてそれを一連の事件で一度完全に否定され、さらに自分なりのスピリッツを再構築し、堂々と確固たる信念を持って社会に挑戦していこうとする多くの学生達がまもなく続々と社会に出てきます。一流のエンジニアを目指すものもいれば、マネジメントのプロやマーケッターを目指すものまで多種多様です。そして、彼らは違います。なあなあと就職してお金貰って生きていければいいやとは思っていません。ただ単純にコンサルだ、外資だなんて愚かな考えも持っていません。もちろん、安易に「やっぱ起業が一番だ」とももう思ってはいません。起業ブームと呼ばれる熱狂は堀江氏、ライブドアと共にもう終わりを告げたのです。

ライブドアの繁栄と凋落を高校大学時代に目撃した86世代として

僕がビジネスに興味持ち始めたのは高校一年生のころ、最初のきっかけは『金持ち父さん』だったように記憶しています。学校の本を読み漁ったりしているうちに、ライブドアの近鉄買収の話が出たり、ニッポン放送買収の話が出たりしてきました。高校三年生のときだったと記憶しています。
当時の僕はその勢いに違和感を覚えつつも、ベンチャーが世の中を(良いか悪いかは別として)変え得るんじゃないかと思って、確かに高揚感のような思いを抱いていたように思います。事業を起こす事で社会貢献していく人生を歩みたいなぁなんて思ったり。

その後大学生になり、学生団体で活動したりインターンしたりしているうちに気が付いたら堀江氏や村上氏が逮捕されてました。すごい複雑な思いを抱いたのを覚えています。僕を含め現役入学で来年大学三年になる層がいわゆる76世代の10歳下の1986年生まれ世代です。

・学生団体の急増と大学生の意識変革

自分の話はこれくらいにして、まわりの大学生の話をすると、最近学生が集まって社会貢献活動とかビジネスの勉強とか株式投資とかするサークル、いわゆる「学生団体」というものが物凄い勢いで増えています。
ボランティア絡み・国際交流関係なども含むので一概には言えないのですが、感覚的には団体数的にも学生数的にも年々倍々くらいで増えているような感じです。ベンチャーでインターンしてみたりする人も同じく倍々くらいで増えてます。たぶん。

僕はそういう人たちを何百人も知っているという訳ではないですが、接した事がある人たちの多くは確かに自分なりのスピリッツを再構築して、志を持って様々な活動をしていました。単なる起業ブームということではなくて、根本的な意識の変動によって起業志向が強くなっているのも肌で感じています。

よく「アメリカでは一番優秀な層は起業、次の層はベンチャー就職、それ以下が大企業就職を志向」みたいな話を聞きますが、日本でも学歴があってエリートな感じの人たちが起業したりベンチャーに就職したり、いつか起業するつもりで外資行ったりってケースが増えているようには思います。

・学生の意識変革は社会的にプラスといえるか

ですが、そういう学生団体で何かをしている人(業界では「意識の高い人」とか呼ばれたりします)が必ずしもよさげというわけではなさそうです。とりあえず交流会と称した飲み会やってるだけだったり(明確な目的を持った良い感じの交流会ももちろん沢山あります)、何を意図しているか分からない講演会を主催してるだけだったり。
本当に信念を持って活動しているのか、それともトレンドに乗って中身の無い自己満足的な活動にすぎないのか。実際どのくらいの割合でこの2タイプがあるのかは分かりませんが、諸手を挙げて賞賛できるような状態では無いと思います。すごい玉石混合な感じ。外資志望の人も、給料目当てってケースだってあるでしょうしね。

んで、学生時代にいろいろ考えて自分なりにやってきたって人たちがもうすぐ社会に出てきます。86年生まれなら、現役&大学四年間在籍として次の冬から就職活動です。もちろん学生起業だったりインターンだったり頑張ってる学生団体だったりも含めればもっと早いわけです。

・必要なのは、玉石を見分けられる支援者

なんだかんだで僕もいろいろ活動らしきことをしてきた訳ですが、その過程で上の世代の方々にすごいお世話になってますし、これからもお世話になると思います。人世代上の方々はもちろん、もっと上の世代にも。
それを踏まえて思うのは、暴走するかもしれないし、社会をうまく改革していくかもしれない86世代*1は、玉石混合状態を見極めて振り分ける仕組みがあれば独自のスピリットで良い感じ活躍できるんじゃないかなぁ、という事。
ベンチャー支援だったり、社内での新規事業に対するスタンスだったり、いろんな知識伝達の機会だったり、いろいろあるとは思いますが。夢と気合だけで自力でどうにかなるなんてことはないってのは十分分かっているでしょうから。
独自のちゃんとしたスピリットを持って社会に貢献していこうとしてる人だって、適切な支援の仕組みがないと、大資本に怯えるあまり粉飾して急成長してって道をとらざるをえないかもしれないわけですし。振り分ける仕組みがないと集団で力持とうとしてみんなまとめて全共闘Jrにだってなりかねません。いや流石にそれは無いと思うけれども。

・ところで、結論がしょぼいけど

堀江スピリッツ・起業ブームを消化した今の大学生くらいの世代の(或る大学生から見た)現状を感覚ベースで書いてみたかっただけなので。その辺は華麗にスルーしてください。

*1:まぁ別に86に限らず